高年収特化FPと学ぶ 「守りの資産運用ゼミ」 ~Low Risk, More Money~
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公的年金制度では受給額に上限があるため、現役時代の収入に比例して老後資金が増えるわけではありません。だからこそ、医師や士業、大企業の管理職などの高所得層の方々は、現役時代の収入が高い分、退職後の収入低下に伴う生活水準の変化に不安を抱くこともあるでしょう。
本記事では、高所得層が注意したい「年金上限の罠」を整理したうえで、新NISAやiDeCoを活用した先の老後資金づくりと節税戦略を解説します。
年収1,000万円を超える管理職や医師、士業といった方々は、現役時代の生活水準が比較的高くなる傾向にあります。そのため、退職後の収入が大きく減少することによる生活の変化に、強い不安を抱かれることも少なくありません。
その不安要因の一つに、公的年金制度の仕組みがあります。厚生年金の保険料算出の基準となる「標準報酬月額」には上限が設けられており、現時点(2026年)では月額65万円が上限。どれほど高い給与を得ていたとしても、その超過分が将来の年金額の計算にそのまま比例して反映されるわけではありません。高所得の方であっても、受け取れる公的年金の額は国民年金(基礎年金)と厚生年金を合計して月額約15万〜20万円程度に留まることが多いでしょう。
そうなると、仮に現在、月額50万円の生活費を基準に生活しているなら、退職後は毎月30万円以上の資金を自ら補填する必要があります。この不足分を20年間で計算すると、実に7,200万円超という大きな金額となります。
加えて40代から50代にかけては、依然としてお子様の教育費や住宅ローンの返済が負担として残る時期で、また退職金の見通しも雇用形態や職種によって異なります。高年収層の方ほど、より綿密に将来の収支バランスを見据え、早い段階から老後資金を別枠で確保しておくことが大切です。
老後資金は使う時期が最も遠い資金であり、運用期間が長いため、節税優先と長期分散を最大限に活用することがおすすめです。
老後資金の準備においては、まずiDeCoによる所得控除の活用を検討してみましょう。iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象となるため、適用される所得税率が高い方ほど、税負担の軽減効果も比例して大きくなるからです。
所得控除後の課税所得にもよりますが、例えば年収1,100万円前後の方であれば、所得税率20〜23%に住民税率10%を加えると、掛金の約3割程度の税負担軽減が見込めます。運用益が生まれる前から節税メリットを得られる点は、iDeCoの大きな魅力といえるでしょう。
ただし、受け取り時には課税対象となる可能性があるため、資産を蓄えることだけでなく、将来の出口まで含めた設計を行うことが大切です。
iDeCoと併せて活用を検討したいのが、運用益を非課税で享受できる新NISA。新NISAでは、成長投資枠240万円とつみたて投資枠120万円を合計し、年間で最大360万円まで投資が可能となっています。
高所得層に特に有効とされる手法が、この年間枠を毎年フルに使い、5年間で生涯非課税枠1,800万円を使い切る「最速投資戦略」です。時間をかけて少しずつ投資するよりも、早期に資金を投じることで複利が働く期間を長く確保できるため、長期的な資産形成においては有利に働きます。
ただし、市場環境によっては購入した金融商品に値下がりが発生するおそれもあるため、投資対象や資金の投入タイミングについては、ご自身の目標やリスク許容度に合わせて慎重に検討することが大切です。
iDeCoの拠出枠と新NISAの非課税枠をすべて使い切った段階で検討したいのが、高年収という属性を活かしたレバレッジ戦略です。
その代表例が、金融機関から融資を受けて不動産を取得し、家賃収入を将来の私的年金として育てる方法。ただし、不動産投資は自己資金のみでは到達しにくい規模の資産形成を目指せる点が強みですが、空室リスクや突発的な修繕費、金利上昇といった要因には十分な注意が必要です。
また、経営者や個人事業主の方、あるいは士業の方であれば、小規模企業共済を通じた退職金準備も併せて検討してみましょう。掛金が全額所得控除となるうえ、廃業・退職時に退職金として受け取れる仕組みになっているため、節税しながら将来の資金を積み立てられます。
会社経営者や医療法人・弁護士法人の代表は、法人を活用した退職金設計が必須です。
法人向け保険・小規模企業共済によって法人税を圧縮しながら、退職時に税制優遇のある形で資金を受け取れる仕組みを構築します。
高年収層の老後資金対策は、ただの積立ではありません。「教育費のピーク期に老後資金の積立を止めざるを得ないのか?」という不安を解消することこそが、FPに相談する最大のメリットです。
FPは、あなたの教育費、住宅ローン残高、公的年金受給額をすべて統合し、退職時に必要な資産額と今の積立で足りるかを数字で可視化します。 特に教育費の準備と同時に老後資金を確保するには、節税制度を戦略的に活用することが重要なポイントです。
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