高年収特化FPと学ぶ 「守りの資産運用ゼミ」 ~Low Risk, More Money~
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「子どもの教育費は妥協したくない、でも自分の老後資金も並行して準備できるだろうか…」そんな不安を抱える年収1000万円超のサラリーマン・医師・士業の方は、決して少なくありません。教育費のピークと老後資金の準備期間が重なるこの時期こそ、インフレリスクから教育資金を守りながら効率よく増やす手法と、高所得層だからこそ実践できる節税・運用戦略が重要になります。
本記事では、高所得層が検討したい節税・運用戦略を解説しています。
文部科学省が公表した令和5年度「子供の学習費調査」によれば、幼稚園から高校卒業までの15年間で必要となる学習費総額は、すべて公立に通った場合で約596万円、すべて私立に通った場合で約1,976万円とされています。大学費用を加算すると、私立理系まで進学するケースでは子ども1人あたり2,000万〜2,500万円規模の資金を想定しておく必要があります。
また、年収1,000万円を超える世帯では、中学受験から私立中高一貫校、医歯薬系大学、さらには海外留学などを検討することもあるでしょう。仮に私立の医学部へ進学する場合、大学6年間で約3,000万〜4,000万円、海外の大学を目指す場合は学費と生活費を合わせて年間500万〜1,000万円程度が必要となるケースも珍しくありません。
現預金のみでこれらすべての費用を備えようとすると、老後資金の形成を大きく圧迫するおそれがあります。教育費をインフレリスクから守りつつ、早い段階から計画的に資産運用へ回す視点を持つことが、安定した家計運営の要となります。
教育資金の運用は、資金の目的や使う時期に応じて運用方法を変えることが大切です。以下におすすめの運用方法についてまとめています。
| 資金の目的 | 期間 | おすすめ手段 | 利回り(想定) |
|---|---|---|---|
| 教育費(短期) | ~5年 | 定期預金 | 年0.4~1.2% |
| 個人向け国債(固定・変動) | 年1.4~1.9% | ||
| 積立型保険(学資保険等) | 年0~0.5%程度 | ||
| 教育費(中期) | 5~10年 | 新NISA(つみたて投資枠) | 年3~5%(想定) |
| 新NISA(成長投資枠) | 年3~7%(想定) | ||
| バランスファンド | 年2~4%(想定) | ||
| 老後・将来資金 | 10年以上 | iDeCo(株式インデックス中心) | 年3~5%(想定) |
| 新NISA(成長投資枠)×株式インデックス | 年5~7%(想定) | ||
| 不動産投資 | 年4~8%(表面利回り) |
教育費の積立において学資保険は計画的な貯蓄に適している一方、返戻率が100%前後に留まる商品も存在するため、物価上昇が続く局面では実質的な価値が目減りしてしまうリスクもあります。そのため、学資保険は教育費の一部を守る役割として活用しつつ、資産を増やす役割は他の制度と組み合わせて考えたほうが良いでしょう。
その点、新NISAを活用すれば、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を合わせ、年間で最大360万円まで非課税で投資を行うことができます。生涯の非課税保有限度額は1,800万円とされ、そのうち成長投資枠は1,200万円まで利用可能です。成長投資枠では上場株式やETF、REITなども選択肢に入るため、余裕資金を活用して教育費や将来の資金を育てる戦略としては有効でしょう。教育費の支出時期まで10年以上の期間があるならば、値動きを考慮して分散投資を取り入れつつ、資金が必要になる時期が近づくにつれて現預金の比率を高めていくような設計もおすすめです。
あわせて注目したいのがiDeCo。教育費の捻出ではなく老後資金の形成に特化した制度ですが、掛金は全額所得控除の対象となり、企業年金がない会社員であれば月額2.3万円まで拠出可能です。年収1,000万円を超える層の方であれば所得税や住民税の負担が大きいため、同じ掛金であっても節税による実質的な利回りが高まりやすい点が大きな魅力となるでしょう。ただし、この制度は原則として60歳まで資金を引き出すことができません。そのため、教育資金とは切り分けて計画を立てることとなります。
教育資金のピークは、高校から大学進学時です。教育費のピークが10年以上先の場合、つみたて新NISAやiDeCoでの長期インデックス運用がおすすめ。元本割れのリスクを恐れず、賢く資産を増やしましょう。
高所得層にとっては、節税によって手元に残る資金を増やすという発想も、教育費準備の重要な戦略の一つになります。例えば、企業年金のない会社員がiDeCoに月2.3円、年間で計27.6円を拠出した場合、年収1,100万円前後の方であれば、所得状況にもよりますが年間約9万〜11.8万円もの税負担軽減が目安。老後資金を堅実に積み立てながら、浮いた税額を塾代や習い事費用といった教育費に転用できる点は、家計全体で見ると大きな利点になるでしょう。
ふるさと納税も同様で、返礼品として日用品や食料品、あるいは旅行関連のチケットなどを選択すれば、日々の生活費を抑えることができる分、本来払うはずだった生活費を教育費に充てられる形になります。ちなみに、教育資金の一括贈与非課税特例については2026年3月末をもって制度が終了いているため、今後の代替手段としては、暦年贈与の活用などの他の生前贈与手法を組み合わせた計画を検討することとなります。
なお、医師や経営者の方であれば、法人化やマイクロ法人の検討、不動産投資による損益通算など、より高度な税務戦略有効なも選択肢になります。
教育費を優先しすぎた結果、iDeCoや新NISAの活用など老後資金の準備が遅れ、老後に必要な資金を確保できなくなるケース。老後資金は後から巻き返しが難しいため、教育資金と老後資金をトータルで見える化することで解決できます。
学資保険や終身保険のみに頼り、利回りが低い状態で資金を固定化してしまうケース。インフレ時代において、資産の目減りリスクが高まります。バランス型ポートフォリオで教育費、老後資金、相続資金を一括管理することで解決できます。
銀行、証券会社、保険会社など複数の金融機関に資金が分散し、「今の合計額で足りるのか」が把握できなくなるケース。FPによる資産の見える化を取り入れることで解決できます。
「教育費のピークでも老後資金が確保できる」という具体的なキャッシュフロー図を作成。iDeCoを夫婦で満額拠出し、節税しながら老後資金を確保できるようになり、安心感を持って運用を継続しています。
不動産投資による節税で手取りを増やし、その資金を留学費用の成長枠に充当。さらに、法人資産の設計を通じて将来の相続税対策まで同時に実現しました。
法人を活用した役員報酬の最適化と退職金制度で、個人所得税を圧縮。増えた手取り分を自動で新NISAに回す仕組みを作り、効率よく教育資金を積み立てるシステムを構築しました。
年収1,000万円を超える世帯であっても、子どもが私立医学部や海外大学への進学を選択する場合、教育費用は2,000万〜4,000万円規模にまで膨らむ可能性があります。仮に現預金だけでこの大きな資金を準備した場合、大なり小なり、将来的な物価上昇による資産価値の目減りリスクや老後資金形成への影響を避けられないでしょう。
新NISAの成長投資枠は年間240万円まで活用可能で、かつ上場株式やETF、REITなども選択肢に入ります。教育費が必要となる時期から逆算した運用設計を行えば、インフレリスクを軽減させつつ老後資金に余裕を持たせる結果も期待できるでしょう。
教育費の準備においては、資産の運用効率を高めることはもちろん、税負担を抑えるという視点も極めて重要です。iDeCoによる所得控除やふるさと納税、新NISAの非課税メリットをフル活用しつつ、医師や経営者であれば、法人化やマイクロ法人の設立、不動産投資による損益通算といった、より高度な選択肢も検討してみて良いでしょう。
教育費と老後資金という二つの大きな課題をバランスよく解決するには、ご家庭の収支構造や資産状況を正しく把握することが第一歩。新制度や税制に精通したファイナンシャルプランナー等の専門家と共に、将来を見据えた適切な資金設計を検討してみましょう。
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